金子みすゞ「草原の夜」に感じたやさしさ/映画「夜明けのすべて」と重なった世界

やさしくてあたたかくて自然をイメージしたイラスト背景 楽しむ

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映画「夜明けのすべて」を見ている途中、金子みすゞの詩集に、似たような気持になれる詩があったなと思いました。

映画を観終わった後、「どんな詩だったっけ」と、私は自宅の本棚を探しました。「あった」見つけた詩集の中に「草原の夜」という詩がありました。

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「草原の夜」

ひるまは牛がそこにいて、青草たべていたところ。

夜ふけて、月のひかりがあるいてる。

月のひかりのさわるとき、草はすっすとまたのびる。あしたもごちそうしてやろと。

ひるま子どもがそこにいて、お花をつんでいたところ。

夜ふけて、天使がひとりあるいてる。

天使の足のふむところ、かわりの花がまたひらく。

あしたも子どもに見せようと。

※(「金子みすゞ童謡集」 JULA出版局)

※詳細は、金子みすゞうたの公式(草原の夜) へ(詩・解説・デザイン画)

草は牛に食べられて、子供たちに摘まれても、でも夜になると月の光がさして草はまたすっとのびる、また明日も食べられてしまうのに。

私はこの詩を読んだとき、月はそんな草のために、やさしく光っているのだと感じました。誰かのためい生きている草にも、そっとやさしさが届いている。その光景が心に残っています。

「夜明けのすべて」の映画の中でも、誰かのさりげないやさしさ、深い思いやりが描かれており、そのやさしい世界は、いつしか自分の中に種をまき花を咲かせ相手に届きます。決して華やかな世界ではないのだけれど、かけがいのない美しい世界です。

当たり前にあるやさしさにありがとう

やさしくてあたたかいイメージの抽象的な背景

映画「夜明けのすべて」を観て、つながった詩がもう1つあります。

さきほどと同じ、金子みすゞさんの童謡集の1つ「お日さん、雨さん」です。

「お日さん、雨さん」

ほこりのついた しば草を 雨さんあらって くれました。

あらってぬれた しば草を お日さんほして くれました。

こうしてわたしが ねころんで 空をみるのに よいように。

※(「金子みすゞ童謡集」 JULA出版局)

※詳細は、金子みすゞ記念館公式ページ または、  金子みすゞうたの公式 へ(詩・デザイン画)

自分が寝転んで空を見るために、雨が芝生を洗ってくれて、太陽が乾かしてくれた。この詩では、そんなふうに描かれています。

普段は当たり前だと思っていることにも、こんなふうに目を向けられたら。私は、身近にあるやさしさを見過ごしてはいないだろうかと思いました。

やさしさ、感謝する心。

大切にしたいものをもう1度思い出したくて、映画を観た数日後、私の足は自然あふれる場所へと歩きだしました。

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